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2024.4.26 ハイパースペクトルカメラ

ハイパースペクトルカメラ購入の費用対効果について

2024.4.26 お知らせ

こんにちは。

Milk.株式会社の藤井です。

 

今回は、ハイパースペクトルカメラ購入の費用対効果について書いていきます。

 

ハイパースペクトルカメラは、購入される際には少なくとも数百万円はする高額な製品ですので、現場では使用したいという声が出ていたとしても、組織内や経営陣の方にご納得いただく際にはご苦労されるのではないかと思います。

 

とはいえ、コスト削減効果やサービスの競争力や付加価値向上につながることをうまく伝えることができれば、「それなら安い」と言ってご購入いただく方も一定いらっしゃいますので私たち営業は、お客様のユースケースに合わせて日々、説得材料をかき集めています。

 

今回は、一部ではありますが、その際によく使用する計算式についてご紹介できればと思います。

 

1.ハイパースペクトルカメラとは?

 

ハイパースペクトルカメラには明確な定義や国際基準がありませんが、市場に出回っている製品から包括的な定義を考えると「特定範囲の波長帯を数十~数百の波長のまとまりで分割した情報(分光情報)とその位置情報(ピクセル)を同時に取得できるカメラ」と言えます。

 

スペクトルデータの解析を行う立場として考えるハイパースペクトルカメラというハードウェアに求める要素を以下に5つまとめてみました。

 

求める要素

利点

①分光情報が連続的に取得可能

偏光や蛍光などの光学特性の観測ができる

②分光精度が高い

物質固有の吸収を容易に区別できる

③取得波長範囲が広い

金属や無機物、有機物など様々な対象物の識別に活用できる

④撮影速度が速い

動く対象物にも利用可能

⑤取り回しがいい(顕微鏡取り付けや三脚固定が可能)

従来のカメラと同様のシチュエーションで活用できる

 

①~⑤をすべて満たす機種は市場になく、多ければ多いほど高額になる傾向にはありますので、この要素のどれがご自身の目的に合致するかという観点でお選びいただけると良いと思います。

 

 

2.ハイパースペクトルカメラ導入のメリット

 

  • 点ではなく、面で分光情報を捉えられる → 品質向上
  • 熟練工の検査を代替できる → 生産性向上/技術継承
  • これまで数値化できなかった指標を数値化できる → 付加価値向上

 

異物検知や品質検査などで使用されるケースが多いですが、その際にはこれまでの検査機器や人間の目視確認との差がメリットとして考えられると思います。

 

それぞれ解説していきます。

 

①点ではなく、面で分光情報を捉えられる

 

従来の分光計はポイントでの分光情報を捉えることができましたが、マッピングをすることができませんでした。

ハイパースペクトルカメラを導入することで、マシンビジョンにおいては、サンプルの一点ではなく面で全数検査をすることができるようになります。

 

塗りムラや焼き色、傷などの検査精度の向上に繋がり、品質向上に寄与します。

 

②熟練工の検査を代替できる

 

精密機器のラインには、いまだに属人的な検査システムが残っている場合があります。訓練を積んだ熟練工の方しか検査ができないという場合に、ハイパースペクトルカメラを導入することで、その検査の代替ができる可能性があります。

 

技術者の高齢化や人材不足が続く中で、属人性の高い項目を少しでも減らすことで生産性の向上や技術の継承につながります。

 

 

③これまで数値化できなかった指標を数値化できる

 

これまでは検査の難しさから品質検査の項目に入れていなかったような項目も、ハイパースペクトルカメラであれば指標化することができる可能性があります。

 

例えば、ある研究ではハイパースペクトル技術を用いて、腐敗する前の果実の腐敗時期を2か月以上前に予測できる指標を作成することに成功いたしました。これにより、腐敗時期の遅い果実に対して付加価値をつけて販売できる可能性が出てきます。

 

このように、これまで指標化できていなかった検査項目を付加することで、ただ歩留まりが向上するだけでなく、付加価値をつけることも可能です。

 

 

3.ハイパースペクトルカメラ導入の費用対効果

 

それでは、費用対効果を計算していきます。

 

例として、ある中小企業様の工場でのライン利用を考えます。現在は1ライン2名体制でラインを流れてくる物品の目視検査(マシンビジョンを併用)をしていますが、ラインの速度が早く目視確認に限界があります。

 

ある時、検査の漏れで大きな検査ロットごと回収になるなどのケースがあり、弊社に依頼を受けたとします。

計算式は以下のようになります。

________

 

削減費用:

①人件費

2×3ライン=6人月

6×20万円×12ヶ月=1440万円/

 

②インシデント発生時の想定費用

製造物によって幅があるが、

一回あたり1,000万円程度の費用がかかると想定。

________

 

導入費用:

③購入費用

130万円~880万円(機種により異なる)×3ライン=390万円~2640万円

 

④ソフトウェア開発費用

300万円~1,000万円(ライン導入でカスタマイズが必要な場合)

 

合計:690万円~3640万円

________

 

維持費用:

⑤メンテナンス費用

購入金額の15%/年を想定。

 

合計:103万円~546万円/

________

 

減価償却期間を5年とし、

平均的なパターンで問題なく使用が続けられると想定すると、

 

ROI(投資対効果)= 7200万円 ÷ 3787万円 × 100% = 190

 

となり、インシデントを考慮に入れなくても高い投資対効果があります。

また、今回はハイパースペクトルカメラの導入が必要な高価なパターンを想定しましたが、実際にライン導入する機器は数十万円~百数十万円ほどの機種になるケースの方が多いため、実際の費用対効果は何倍にもなる可能性があります。

 

参考:東京都主税局「減価償却資産の耐用年数」

https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/info/hyo01_01.pdf

 

 

・最後に

 

以上、ハイパースペクトルカメラ導入の費用対効果についてお伝えいたしました。

弊社のライン導入時の金額感や提案における考え方などについてご理解いただけましたら幸いです。

 

Milk.株式会社では、お客様の撮影対象や状況に合わせて、弊社の持てる手段を全て駆使して撮影をサポートするハイパースペクトル計測サービス、解析サービスがあります。

 

弊社おすすめ機種のハイパースペクトルカメラレンタルや、撮影方法レクチャー、解析の受託など幅広く行なっておりますので、ハイパースペクトルカメラに興味があるよという方は、ぜひ、こちらのフォームからお問い合わせください。

 

・ハイパースペクトルサービス料金シミュレーション

https://hscform.milk-med.com/

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